職場旅行を楽しめるお年頃

先日、職場の旅行に数年ぶりに参加した。1泊2日。

旅程を見て、内容が好みではないし、小さい子を家族に任せて2日フルに家あけるのか…と迷ったけれども、旅行における趣味が近く親しい友人が誘ってくれたので乗ることにした。

あなたが行くなら行こうかな、のパワー。

幸い家族は快く送り出してくれた。

 

実際には想像を超えて興味深く、まさかと思うほど楽しんでしまった。

こんなに素敵な出会い、縁を捨てるところだったのだなあと、自分の浅はかさを反省した。自分で手軽に見られるもの、自分の見たいものだけを見ようとしていたことに気づかなかった。

 

若いとき、職場旅行が楽しめなかった。自分で調べて好きなように好きなところに行くほうが余程楽しかった。気を遣いながら食べるご馳走よりも、友人や夫とほおばるおにぎりの方が美味しかった。

今思えば、それが若さだったのだろう。

体力や趣味嗜好の差、職場への馴染み、経験など、今とはかなり違う。今となっては、未知の刺激を避け、美化していくばかりの過去をリピート再生しては安心している気さえする。そんな大人を軽蔑さえしていたのにもかかわらず。

そうならないように気をつけていたつもりでも、今回の職場旅行で自分の守備範囲外の世界を見たことで、いま、自分の浅薄さを恥じている。

 

ただ、そうかといって、全てを選ぶことはできない、ということも分かっている。自分にはもう若い頃とは違う生活がある。生活をしていく責任があって、体力や体調を管理することを意識していかねばならない。

これからも多くの可能性と見知らぬ世界を諦め捨てていくことになるのだろう。

 

けれども、最初から自分の世界で閉じてしまう生き方をするのにはまだ早いような気がする。それはおそらくとても楽なことなんだけれど、もう少し長く生きていくつもりの自分には、未知の楽しみも必要なんではないかなと思う。自分=親が未知を楽しんで生きていくのには、子育てにおいてもきっと意味があるはずだ。

そういうわけで、できるだけ、未知との遭遇のチャンスを捕まえられるように備えておきたいな、と思った。そしてものぐさな自分を連れ出してくれる貴重な友人たちに感謝。大切な人たちにいつかお返しできますように。